さだまさしのエッセイの隣に/今年の締めくくり
今年の7月に神奈川新聞に短い詩を載せたのだが、紙面の配置はさだまさしのエッセイの隣だった。さだまさしといえば、中学・高校時代はファンで、LPレコードを十枚くらい集めていて、壁にポスターを貼っていた。あるとき、ステレオの調子が悪くて、家に修理に来て貰ったことがある。修理の方は若い男性だったが、さだまさしのレコードを試しに掛けると、「修理したので、直っているはずですが、こんなにゆっくりとした曲は聴いたことがないので、確かめていただけませんか」と聞かれた。いつものように、こころに染みるようなゆったりとした歌声に「これでいいんです」と、十代のわたしは答えていた。「男性のポスターも自分は貼っていないですけどね」と言われ、嫌な気はしないが、わたしは苦笑いをしていた。なんだか懐かしい思い出で、引っ越しの準備をしていたら、掲載の新聞が出てきていたので、今年のしめくくりとして書こうと思った。
橫浜詩人会のメンバーは「装う」というテーマで、神奈川新聞に毎週日曜日に詩を連載している。
そういえば、
12月9日金曜日の神奈川新聞文化欄、神奈川の文化時評の現代詩(柴田千晶氏評)で、「詩誌では、光冨郁埜発行の「狼」が充実していた。岡田ユアンら、若い書き手の活躍が目立つ。」と、取上げられていた。神奈川新聞と柴田氏に感謝である。
狼30号:参加者は以下の通り。
坂多瑩子、颯木あやこ、岡田ユアン、鈴木正枝、冨田民人、小山健、森雪拾、佐相憲一、日野零、梅津弘子、葛原りょう、千直明、
佐波ルイ、福士文浩、長尾雅樹、光冨郁埜、平川綾真智、根本正午、坂井信夫、小桜ゆみこ、広田修、石川厚志、長屋のり子(23名・敬称略)
表紙画・志久浩介 編集発行・光冨郁埜
30号は12月、翌年1月編集。2月発行予定となる。1月に引っ越しもあり、予定がずれてしまった。参加者・関係者に感謝。
狼編集室の名称をオオカミ編集室とカタカナ表記にするかもしれない。
現在、表紙デザイン中。
ということで、お話にあった、神奈川新聞掲載の詩を載せて、今年のお礼として終わりたいと思う。今年一年ありがとうございまいした。なにかまずいことあったら、ごめんね。
来年も、橫浜詩人会の理事をあと2年継続することになった。日本現代詩人会の理事(任期は7月まで)と、文極の運営は引き続き担当させていただく。それでは良いお年を。2017年の2月には新住所となる。おそらく藤沢市あたりだろう。(^-^)/
本日の宴の装いに 光冨郁埜
大きな漆黒の器に
茶色の惑星を装います
ちょうどよい大きさの球に
碧い海をそそぎ、青い空を被せ
ぱふぱふとうすく白い雲を塗ります
それから妻は光る北極の氷にむかい
虹色の眉を描き入れて
自分の背をしならせ映し
極彩色のオーロラのドレスを
とっかえひっかえしています
(神奈川新聞2016年7月24日日曜日「装う 19」掲載)