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狼編集室のブログ

文芸雑誌「狼」創作雑誌「羊が丘」の告知・情報ページです。参加詩人・アーティストの作品・活動紹介、編集雑記など。読んだ本の紹介コーナーあります。

読書コーナー1/村野美優詩集「ちいさな水」

村野美優詩集『ちいさな水』(A Factory 2013.10.5発行)

今回からときおり、読んで良かったなと思う本の紹介をしていこうと思う。

まずは村野詩集『ちいさな水』から、冒頭の「冬の光」という詩作品から引用したい。
「雪のかたまりを抱きしめ/子どもは家路を急いでいる/この世界でいちばん/大切なものを持ち帰るように」という書き出しのように、この詩集に、子どものころの宝物のような世界を感じる。平易で優しい言葉に紡がれた温かな、でもすこしせつなさやさびしさもある時間の共有ができる。
「この世界でいちばん/うつくしいもののように」という結びはまさにそれを現している。

表題作の「ちいさな水」は学校でおもらしをしてしまう子どもの話であり、だれしもが小さいころの自分や、大人になった自分が子どもをみるときに、ああそういうこともある(あった)な、とうなずいてしまうだろう。

また「止まり木」という散文詩では、バーのカウンターでのモノカキに話しかけられた「酒飲みという鳥たち」の話は、ユニークだった。「ちいさな海」の坂下におりていくと、(視界の海が大きくなるので相対的に)なくなってしまうお椀のようなちいさな海の作品なども、印象に残った作品だった。

表紙は子どもの描いた絵のようで、この本のぴったりと合っているかもしれない。
村野美優詩集「ちいさな水」


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